出産費用の一時払は直接支払いで、会社では何もしなくてもいいはず...?!
こんにちわ。
東京都目黒区中目黒の社会保険労務士 小泉事務所です。
事務所の移転等があり、しばらくのご無沙汰でした。
もう11月だというのに、まだ平年より暖かい日が続きますね。
それでも、残すところ今年もあと2カ月と迫っています。
事業主さま、給与計算担当者の皆さま。
そして、サラリーマンの皆さま。
12月は年末調整があります。
特に給与が25日支給の事業所さまは、祝日休日の関係で支給が22日となる場合があります!
早めに年末調整書類の配付と回収スケジュールを立てておかないと、大変ですヨ。
それでは、
【社会保険労務士の事件簿】第49回始まりです!
==社会保険労務士の事件簿(ファイルナンバー0049)============
出産費用の一時払は直接支払いで、会社では何もしなくてもいいはず…?!
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Y社では、出産後も働きたいと希望する人が多く、あまり退職者が出ません。
社長はそれが秘かな自慢です。
ある日、
「社長ぉ~、Iさんからお手紙とコレが入ってました」
総務のRちゃんが社長の帰りを待っていたかのように封筒を差し出してきました。
Iさんとは、待望の第1子を妊娠中の中堅社員。
少し目立つようになってきたお腹を誇らしそうにして、元気に会社に来ていましたが、今は産前休暇を取っています。
「お、順調のようだね。良かったな。」
「はい。お元気そうで何よりです。で、社長、この書類なんですけど…」
「ん?何コレ?」
「確か、会社では生まれるまで何にもすることないと思ってたんですけど、これってどうしたらいいんですか?」
「うん、今は制度が変わったから、本人が後払いを希望しない限り、何もすることないって社労士の先生が言ってたぞ。それに、まだ生まれてないだろ?Iさんに返しておきなさい。」
「はい。」
ところが一週間後。やはり同じ書類がIさんからY社に届きました。
「社長~。戻ってきましたよ…。どうしたらいいんですかぁ?」
「???ちょっと社労士の先生に聞いてみるよ」
と言う訳で、ご連絡を頂きました。
さて、
どんな書類で、なぜIさんはまた会社に送ってきたのでしょうか?
【社会保険労務士 小泉事務所がお答えします!】
出産した際には、加入している健康保険(または健康保険組合)から出産育児一時金という給付金が、1子につき42万円(※産科医療補償制度に加入の場合)支給されます。
以前は出産後、加入している健康保険へ申請をして、後日給付金が振り込まれるという形でしたが、現在は出産時の窓口負担を減らす目的で、健康保険から病院へ「直接払制度」が出来、この制度を利用すれば出産にかかった費用が42万円を超える場合のみ、その差額を病院へ支払えばよくなりました。
(もちろん42万円以下だった場合は、差額が健康保険より給付されます)
直接払制度を利用する場合は、制度利用に同意する文書を病院と妊婦さんが交わし、それをもとに出産育児一時金の申請を病院が健康保険へ申請するため、以前のように会社から「出産育児一時金申請出来ますよ、書類書いて下さいね」とアナウンスすることも減りました。
直接払制度が利用できない病院、または利用しなかった場合以外は出産育児一時金支給申請書を提出することがなくなりました。
出産育児一時金支給申請の手続きは、必ず出産後に申請するものです。
ところが今回、IさんがY社宛に送ってきたのは『出産育児一時金等支給申請書(受取代理用)』という書類でした。
実は、直接払制度は、出産育児一時金が健康保険から振り込まれるまでの間、病院が一時的に立替払いをしているような状態となるため、あまり病院側から歓迎されず、制度導入をしていない所もあるのです。
そのような状況から、今年の4月より「受取代理制度」というものが出来、直接払制度を導入していない病院もこの受取代理制度なら導入する所が増えました。
今回のIさんの出産する病院は受取代理制度を導入していたという訳です。
直接払制度と受取代理制度は何が違うかというと、
・直接払制度→病院が手続、出産後の手続のため、健康保険から給付金が振り込まれるまでの期間が長い
・受取払制度→本人が手続 出産予定日の2ヶ月前から申請可能なため、健康保険からの給付金が振り込まれるまでの期間が短い
という点です。
後半は病院の事情ですので、実際の手続きを『誰が行うか?』が大きく違う点となります。
受取代理制度は、妊婦さんが直接加入している健康保険へ書類を提出しなければなりません。
このため、Iさんは会社に書類を送ってきたという訳です。
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「へぇ、そんなに色々な制度があるんですなぁ」
「そうなんですよ。ちょっとごちゃごちゃしていますけど、どんな病院で産むかは本人次第ですから…」
「そうですね。じゃあこれは、ウチからなんたら健保に送ればいいんですね?」
「あ、大丈夫ですよ、弊所に送って下されば…。こちらで提出手続しますよ。」
じゃあお願いしますね。と言って社長は電話を切りました。
Iさんに元気なお子さんが生まれることをお祈り致します!
本日もお付き合いくださいまして、ありがとうございます。
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